夜更けのこもれび

自分がなんとなく思っていることを何気なく更新していきます。

罪に対して考えた。

 

 

 

TBSドラマ『MIU404』での星野源さん、綾野剛さんの演技に魅了され、星野さんか綾野さんが出演している他の作品を観てみようと思い立ち、Amazonプライムで作品を探していて、ふとこのタイトルが目に飛び込んできた。

それが、今回感想を書こうと思った

プラージュ~訳ありばかりのシェアハウス~

である。

 

こちらは、WOWWOWの「連続ドラマW」枠で2017年の8月から全5回で放送されたものである。まずは、予告を観てみたいと思う。

 

https://youtu.be/8PaQ0ALRO7E

 

 


私は作品に関するなんの情報もないまま観始めてしまったために、序盤からこの作品のテーマが難しいものであるということに気づき、観るのを止めようかとも考えた。しかし、だんだんと作品に惹き込まれ、観終わることができた。この惹き込まれる要素をいくつかに分けて、この作品を考えてみる。

 

 

 

⒈役について

特に、主人公:吉村貴生について────

 

私は、今回星野源さんが演じる役に

根は真面目。だけどどこかタカが外れていて現実を見れていない部分がある少しノリが軽い男

というような第一印象を受けた。

罪に対して楽観的で、それでいて他人事のように感じていた。

このような楽観的な考えを持つような性格の人の役を星野さんがやっているのをあまり見たことが無かったため、始めは意外性を感じていたが最終的には役にこの人以外にこの役をできる人はいないだろうなと思えるほどだった。

それと同時に、多分この役は演じる役者さんの普段のイメージによって、キャラクター像が大きく変わってくるような役柄なんだろうなとも、そう思った。

 

 

2.テーマについて

この作品は、前科者達が生活していく中で、世間の生きづらさに耐えながらも、自分と向き合い、前を向いて生きていく、というものになっている。

私が特に注視したいのは、『プラージュの同居人達の話を聞くのが貴生(星野源)である』というところ。

プラージュの面々は、オーナーも含めて、誰もが直接的にも間接的にも犯罪に触れることでコミュニティが制限されてきた人々なのだと思う。そんな人々がこのシェアハウスのオーナーである潤子さん(石田ゆり子)ではなく、同じ境遇の、あるあくまで同居人の1人である貴生(星野源)という、共感を得られる人間だからこそ、自分のことを素直に打ち明けることができたのではないだろうか?

もちろん、プラージュの外にも前科者に対する理解者は大勢いて、同居人の何人かにはそれぞれ理解者がいるような描写はある。それでも、相談する相手はやはり貴生なのである。ここの部分に、コミュニティの大切さが込められていると感じた。

 

 


まとめ

刑期を終えた人間は最低限の生活を営むことが許されないのか?という現代社会でもあるような難しいテーマで、地上波の放送では出来ないような描写も時折入れつつ、演じている役者本人の雰囲気などが合わさって、社会派なドラマだが堅くなりすぎない、とても観やすい作品だった。自分は、初めはほぼ星野さん目当てで見始めたものの、他の役者さんの演技と役の個性も合わさって"闇を感じさせる温かみ"があったように思う。

それもあってか、心にずっしりとくる感覚があり、その物語の重さに観ていて辛いと感じることが多々あるため、ある程度気持ちに余裕のある時に観ると良いと思った。